E.V.2023 曲紹介 スイス
アーティスト名:Loreen
曲名:Tattoo
スイスはユーロビジョン発祥の地にして第1回大会の優勝国。
過去4回の欠場はあるものの、ほとんどの大会に出場し続ける常連国の一つです。
スイスの優勝は1956年と1988年の二回。
1956年大会の第1回大会の優勝も印象的ですが、やはり1988年大会のインパクトの方が大きいと思います。
1988年大会の優勝者はあのセリーヌ・ディオン。
歴代ユーロビジョン優勝者においてABBAと双璧をなすビッグネームの一人です。
2位のイギリスと1ポイント差という僅差で勝利を勝ち取ったことも、インパクトを生む要因になっています。
このユーロビジョンの優勝経験が、その後の彼女の成功を加速させていったことは言うまでもありません。
今大会の代表アーティストRemo Forrerは幼少からフルート、アコーディオンを学び、独学でピアノを習得した努力派のミュージシャンです。
スイスやドイツのコンテストで入賞するなど少しずつ経験を積んできました。
彼の武器はなんといってもその印象的な声。
素朴で奥深い声は、聴く人間の心を揺り動かす…一種の影響力を持っていると思います。
今回彼が歌うのは、反戦の想いを乗せたバラードWatergun。
ストレートで分かりやすい歌詞ですが、彼の声で歌われることで、さらに重みが加わり、メッセージはより切実さを増します。
静かな怒りとも言いましょうか、それとも反逆の意思の表明ととるべきでしょうか…彼の歌は、今の世の流れを変えたいと思う若い世代に、しっかりと共鳴すると思います。
彼はスポーツ用品店のインターンシップを修了させるなど、堅実な生活ビジョンをもった庶民的な存在です。
決してエリートではない普通の人間が発するメッセージが、億単位の人々にこだまする…これもまたユーロビジョンならではの魅力の一つだと思います。