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Photo by
nekonosara
ジャーマントレーナー友達
・一般的な会社に勤めながら、出勤時にはコソコソと古着や変なスニーカーなどをちょこちょこ紛れ込ませている。
・そうすると時々、仲間が釣れることがある。
・そうゆうことが半年に1回ぐらいある。
・先日、会社のエントランスで20代の若手社員とすれ違った時、なにかを感じた。
・そんなときは、普段あまり繋がりのない人であっても、逡巡よりも先に声が出る。
・『あ!そのスニーカー…』
・彼はドイツ軍のトレーニングシューズのレプリカ「ジャーマントレーナー」と呼ばれるスニーカーを履いていたのである。
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・僕は昔から軍モノのトレーニングシューズが大好きで、折しも、彼の履いていたシューズにそっくりなものをつい最近買ったばかりだった。
・軍モノのトレーニングシューズはお手頃価格で個性があってかっこいい。
・若手の彼も目を輝かせ、『そうなんすよ!僕、ミリタリーのスニーカー大好きで、これも色違いで持ってるんですよ!』とのこと。
・こうゆうとき、人はよく喋る。
・まるでお互いが昔からの友達であったかのように。
・次の日、僕もそのジャーマントレーナーを履いて出勤し、彼に見せに席まで行った。
・おお!と驚く彼も、色違いのジャーマントレーナーを履いていた。
・もう、完全に友達だ。
・若いがさぞ仕事ができる奴に違いない。
・今後、会社で彼に何かあったときは、僕は全力で助けるだろう。
(end)