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不動産事業について考える(続)

前回に引き続き、不動産の基本的なメリット・デメリットを掘り下げていこうと思う。

今回取り上げるのは、次の3点だ。

4. 他人資本を活用できる
5. コンクリート貯金
6. 事業者としての実績

4. 他人資本を活用できる

これは、不動産投資の醍醐味のひとつ。自分の資金を使うのは購入時のみ。その後の借入返済、税金、管理費、修繕費、さらには交際費まで、家賃収入という「他人のお金」でまかなわれる。そして、そこからキャッシュフロー(CF)として手元にお金が残る。

「そんな美味い話があるのか?」と思うかもしれないが、これが不動産の仕組み。もちろん、諸費用が発生したときに「自己資金を使わなければ」と考える人もいるだろう。だが、元をたどれば、それもすべて家賃収入、つまり他人のお金なのだ。

そう考えると、不動産はどう転んでも”得をする”ビジネスモデルになっている。ただし、CFがマイナスになるような物件を買ってしまうと、この考え方は成り立たないので要注意!

5. コンクリート貯金

この考え方を知ったとき、正直、衝撃を受けた。

不動産投資では、つい毎月のキャッシュフロー(CF)に目が行きがちだ。しかし、見えないところで確実に進んでいるのが借入金の返済。これは、売却時に初めて「精算できる=取り出せる」お金となる。つまり、物件というコンクリートの中に貯金をしているようなもの。だからこそ、「コンクリート貯金」というわけだ。

この考えを知ってから、毎月のCFだけでなく、元本の減り具合も意識するようになった。すると、突発的な諸費用が発生し、CFが多少変動しても、「まあ、返済は着実に進んでるしな」と落ち着いていられるようになった。不動産は短期的な損得ではなく、長期戦で勝つもの。そう考えられるようになると、投資への向き合い方も変わる。

6. 事業者としての実績

これは、不動産業界の”七不思議”のひとつだ。不動産投資に欠かせない融資は、実績がないと受けられない。だが、融資がないと物件を買えないので、実績もつけられない。まさに「鶏が先か、卵が先か」問題。

しかし、一度でも物件を購入し、事業実績を積めば、金融機関から「実績のある投資家」として認識される。時間が経つほどに融資の条件は良くなり、次の投資がしやすくなる。特に、法人で不動産投資を行う場合、この傾向はより顕著だ。(個人での投資でもゼロではないが、法人の方が金融機関の見方は柔軟になりやすい。)

そして、金融機関が「事業」としてみなしてくれるようになれば、選択肢はさらに広がる。 不動産業を本業とは切り離して考えられるようになれば、脱サラの道も見えてくる。(もちろん、脱サラを目指すかどうかは別として、選択肢があること自体が大きなメリットだ。)

以上が、不動産を正しく運用すれば誰もが享受できるメリットだ。

自分も現在、数棟の不動産を買い進めているが、改めて振り返ると「最初の一歩を正しく踏み出せてよかった」と心から思う。何度も言うが、不動産投資は時間を味方につけて、キャッシュフローを積み重ね、残債を減らしていくことで負ける確率をどんどん低くするゲーム。

間違った一歩を踏み出してしまうと、取り返しがつかないこともある。だが、**正しく始めることさえできれば、不動産は早く始めるほど有利になる。**これは間違いなく言えることだ。

この記事が、皆さんの「最初の一歩」の助けになれば嬉しい。

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