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nanadays
嫉妬は憧れ
以前勤めていた会社にはパーフェクトヒューマンがいた。
頭が良くて、仕事ができて、コミュ力が高く、上司への根回しも上手で、外見もいい。
勝てるところなんて1ミリもない。
当時の私はそれを認められなくて盛大にその人に嫉妬した。
そしてそれはおそらく私だけではなかった。
その人にはゴシップがついてまわった。
ネタを探し回る人、その証拠探しをする人、噂を広める人、それを聴いて喜ぶ人、タイプはそれぞれだけど、全員嫉妬を拗らせたのだと思う。
そのゴシップの内容は事実だ。
でも「本質」ではない。
職場という場所で圧倒的に仕事ができるその人は価値が高い。
揚げ足取りの私たちはどう考えても分が悪かった。
最近たまたま知り合いからその人の近況を聞いた。
相変わらず仕事で目立っているようだ。
そして相変わらず周りにはその人をよく思わない人がいるようだ。
知り合いもその1人のように思う。
時間が経っても、場所が変わっても、周りの人間が変わっても、その人の有能さや嫉妬の買いやすさは変わらないというのは興味深かった。
その人が周りをどう思っているかはよくわからないが、その人自身はただ自己実現に邁進しているだけなのだろう。
「やっぱり勝てないな」と思った。
雑音が多いこの世の中で自分の目の前のことに集中しているなんてこんなにかっこいいことはない。
私もあなたのようなかっこいい人になりたいです。