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satoshi_st
負けず嫌い
芸能人のSNSにあの子が載っていた。
あの子は芸能人の友達らしい。
あの子は同窓生。
昔から飛び抜けて可愛い子だった。
スクールカーストで最上位クラスにいたと思う。
あの子と私は友達じゃない。
私が一方的に知っているだけ。
可愛くて、性格が良くて、センスが良くて、友達が多くて、人気者で、私とは真逆の世界にいる。
SNSであの子を見つけたとき胸がざわついた。
あの頃とは時間も空間も離れたところにいるというのに。
おそらく私は「スクールカーストはひっくり返らない」という事実に愕然としている。
私は勝手にあの子をライバル視していたのだと思う。何度も言うが、向こうは私の存在すら知らない。私は根っからの負けず嫌いなのだ。
女として勝てる見込みはない。では、何なら互角に戦えるのか?そんなことを当時の私が考えたかどうかは定かではない。だが、男女平等の世界を望み、学歴や収入を追い求めるようになったことと矛盾はしていない。
この負けず嫌いはある人から見たら負の感情だろう。
私もそう思っていた。
でも今は違う。
負けず嫌いは悪くない。
昔の私は度量が足らなかった。
あの時は自分から溢れるものを上手く乗りこなせなかった。
今なら大丈夫。
私はこの感情を昇華してみせる。