まるで冷戦下に時計の針を大きく巻き戻した様相対ロ制裁の足並みの乱れを招くエネルギー危機

「ロシア化」と民族運動とがせめぎ合う
不凍港を求めて南下政策を展開

 新型コロナウイルス問題はどこへやら、ロシアのウクライナ侵攻により、欧州は、まるで冷戦下に時計の針を大きく巻き戻したかのような様相を呈している。

 当初は、軍事カードをちらつかせたロシアの瀬戸際外交という見方もあったが、2月24日、ロシア軍はためらうことなく国境を越えた。ロシアの派兵名目は、ロシアと国境を接するウクライナ東部のドネツク州やルガンスク州におけるロシア系住民の保護だったが、ロシアは両州を通り過ぎ、首都キエフを目指して進軍を続けている。もはや、ウクライナのゼレンスキー政権打倒と全土制圧を目指していることは明白だ。時代錯誤な帝国主義的振る舞いによって国際的に孤立することは自明であったにも関わらず、ロシアは何故それほどまでウクライナにこだわるのか。

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