微生物を友だちに排水処理など環境衛生技術を開発─フレンドマイクローブ─
微生物は発酵食品、医薬品に寄与
燃料にもなり汚染物質を分解する
微生物は、多種多様の酵素を細胞内に含む。また細胞外にも酵素を分泌する。これらの微生物や酵素は、人間に役立つ発酵食品、医薬品、化成品、バイオ燃料などの生産に利用される。だがそれだけではなく、一方では排水処理や脱臭などにも活用されている。このような微生物の働きを利用して汚染物質を分解することにより環境浄化を図る技術をバイオレメディエーション技術と言う。
例えば排水の処理にも微生物が利用されている。微細な菌類が有機物である水の汚れを餌にすると、その菌類を食べる微細な原生動物などもいる。例えばツリガネムシ、アメーバ、クマムシなどといった微生物は、成長と増殖を繰り返しながら汚れをきれいにしてくれる。
つまり、微生物細胞が汚れの成分である有機物等を取り込んで、異化代謝により無機化する働きを利用する。ところが昨今、微生物の働きを活用した排水処理設備が機能を発揮しにくくなっている。
その原因は、主として高濃度の油脂を含む排水のためである。大規模な工場、事業所やレストラン、さらには一般家庭からも生活排水として排出されている。
ここから先は
4,368字
/
4画像
¥ 200