「自由で開かれたアジア・太平洋」構想 中国封じ込めをロシアはどう見ているのか
広がる西側諸国の中国包囲網
反発する中国と擁護するASEAN
バイデン米政権の誕生で、「米国と中国は、どこまで対立をするのか?」といった懸念の声が強くなっている。2月下旬、日本外務省所轄の日本国際問題研究所は世界の識者を集めたオンライン討議を開催した。
同研究所が昨年発行した「戦略年次報告2020」を土台に、日本が進める「自由で開かれたインド太平洋」構想の是非を問う会議だった。
特に中国が進める軍事増強に、どう対処すべきかという国際安全保障問題が焦点だ。既に、日米を中心に「日米豪印戦略対話」(QUAD)構想が打ち上げられている。インドから太平洋まで地域連携を広げる対中軍事協力構想である。新しく米政権の座に就いたバイデン大統領は、トランプ前政権より強硬な対中政策を打ち出すのではないかと観測され、4カ国戦略構想に乗り気だとされる。
バイデン大統領は「日米豪印戦略対話」の目標は、中国の「封じ込め」あるいは「排除」と示唆しており、大統領を支える米民主党も、「自由・民主主義・人権」のリベラル理念を守るため、対中譲歩をしてはならないとの強い立場を打ち出す雰囲気にある。