太陽電池の可能性を広げるナノテク素材 リチウムイオン内包フラーレンのトップ・ランナー『イデア・インターナショナル』

リチウムイオンをフラーレンでくるむ
日本のベンチャーが独自合成技術を開発

 今回はリチウムイオン内包フラーレンというナノテク素材を取り上げる。

 フラーレンは、ナノテク素材の中ではカーボンナノチューブと並んでよく知られた代表的な物質で、炭素原子が球状につながった状態の分子のことである。1970年、日本の若い科学者・大澤英二博士がその存在の可能性を予測し、1985年には実在が証明され、発見した学者らはノーベル化学賞を受賞した。フラーレンには強い抗酸化力があり、すでに化粧品原料として実用化されているほか、医療、半導体、潤滑材料などの応用用途が開発されつつある。

 炭素原子60個でできたフラーレンの中にリチウムイオンを内包したのがリチウムイオン内包フラーレン(LiEF)である。

 リチウムイオンは二次電池(蓄電池)に使われている。ノートパソコンなどに使われるリチウムイオン電池は、正極と負極の間をリチウムイオンが移動して電極で反応することにより充電・放電をする電池のことである。急速充電でき、高出力で長持ちするためノートパソコン、スマートフォンなどに幅広く使われている。

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