「工場・倉庫の守護神」と呼ばれる秘密“マテハンの勝ち組”ダイフクの大きな福

“銀行殺し”の財務体質に高収益
「時価総額1兆円」グループに

 昭和後期から平成中期にかけて、「売上1兆円倶楽部」の会社と言えば押しも押されもせぬ一流企業と見做された。その後、国境を跨いだ事業部門や会社そのものの売り買いが一般化するにつれ、売上の規模だけが優良企業か否かを測る物差しでなくなった。代わりに浮上してきた代表格が時価総額(株価×発行済株式数)という新たなスケールだった。これがちょうど、自分自身の「通信簿」にも相当する指標だということで、その変動に多くの経営者が一喜一憂している。

 9月13日現在、国内株式市場に上場している企業の数はプライム、スタンダード、グロースの3市場を合わせて3827社に上る。このうち、時価総額が1兆円を超えている企業はトヨタ自動車を筆頭に152社に過ぎない。上場企業のおよそ25社に1社という割合の選抜メンバーだ。

 確かに152社の顔ぶれを見ると、それぞれが、国際競争の中でも相応に光るコアコンピテンシーを抱える、いわゆるエクセレント・カンパニーが数多く名を連ねていることが分かる。「時価総額1兆円倶楽部」という新たな括りが、令和の世における一流企業の証だと捉えても、そう間違いはなさそうである。

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