ASEANで独り勝ちのベトナム 経済開発でライバルのタイを抜く勢い
🔸コロナを抑え込み20年は2.9%成長
IT産業も自力で育て、自動車生産も
ベトナム共産党は1月25日から開いた第13回共産党全国代表者大会で、建国100周年にあたる2045年までに高所得の先進国になる目標を定めた。ASEAN主要6カ国(シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、インドネシア)の2020年の実質成長率は、ベトナムだけがプラス成長で、前年比2.9%増を記録した(19年は7.0%増)。タイの6.1%減など軒並みマイナス成長の中、コロナ感染をいち早く抑え込んだベトナムだけが成長率をプラスにできた。英国スタンダードチャーター銀行は21年は7.8%増の高成長を予測している。
4月の国会ではグエン・スアン・フック前首相が国家主席に就き、新首相にファム・ミン・チン共産党中央組織委員長を選任した。チン新首相は親日家として知られ、友好議員連盟のベトナム側の会長として日越交流を進めた人物。ベトナムは中国と同じ共産党の一党支配だが、共産党書記長、国家
主席、首相、国会議長という4ポストに権力が分かれ政情は安定している。