ロシアとウクライナは、ひとつの民族か? プーチン論文を巡る議論と対立
決して「反ウクライナにはならない」v.s
1つの民族を口にすることはあり得ない
プーチン大統領は7月中旬、「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」と題する論文を発表し、「ロシアとウクライナはひとつの民族であり、一体性を共有するのが自然であり、理にかなっている」と主張した。
論文によれば、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの三民族は、古くはドニエプル川の源流地帯に出現した古代スラヴ民族に属し、古代ロシア国家(古代ルーシ)の血を受け継ぎ、大ロシア、小ロシア、白ロシアと呼ばれた。また、同じ言語(古代ロシア語)と宗教(東方正教会)、さらに、同じ文化・伝統・風習・歴史を築き上げてきた。
その後、リトアニア、ポーランド、スウェーデン、トルコ、ドイツなどの支配、介入を受けたが、三位一体のアイデンティティは崩れなかった。