視界広がるアフターコロナ 単純回帰ではなく、 社会・経済の新しい枠組
🔸往来を再開する動き、「観光業を復活させ、
国境を越えた友情を蘇らせる時が来た」
未だコロナ禍との一進一退の攻防が続く欧州だが、急ピッチで進められるワクチン接種とともに、徐々に「アフターコロナ」に向けての視界が開けつつある。「アワー・ワールド・イン・データ」によると、少なくとも1回以上のワクチン接種を受けた人の割合は、英国の50%超を筆頭に、接種が遅れているといわれるドイツ、フランス、イタリアなどでも30%前後に達しており、欧州全体でも約25%に上る。因みに、日本はわずか3 %弱だ。
ワクチン接種の広がりに伴い、欧州では、徐々に人の往来を再開する動きも出てきている。EUの内閣にあたる欧州委員会は5月3日、現在ごく一部(7カ国)を除いて禁止しているEU域外からの不要不急(non-essential)な渡航について、6月にも制限を緩和する方針を明らかにした。同委員会のフォン・デア・ライエン委員長は、「EUの観光業を復活させ、国境を越えた友情を蘇らせる時が来た-安全に」とツイートし、EUが認めたワクチンの接種を条件に、観光客を受け入れることを表明した(BBC、5月3日付)。また、ワクチン接種や非感染などを証明するEU加盟国間共通の「デジタル・グリーン証明書」を、6月を目標に導入する計画だ。