蜂の一刺しも痛くない?保守化に染まるアメリカ政治力学を変える新戦略探しが必要なバイデン政権
強し!トランプ公認、チェイニーも敵わない
蜂の一刺しになるか、ハッチンソン証言
2020年秋の米大統領選挙で敗れ、昨年1月に退任したものの、白人労働者層や保守強硬派に根強い人気を持ち、共和党に隠然たる影響力を保つドナルド・トランプ。今年11月に迫った中間選挙を巡り、米メディアで彼の影響力の強さを表すのに用いられるようになった造語が「トランプブースト(Trump Boost)」だ。中間選挙の連邦上下両院、州知事、地方自治体でトランプが推奨した候補は203人。6月下旬時点で約半数の予備選が終了したが、トランプ推奨候補は94%が勝利、圧倒的な強さを見せつけている。つまりトランプ「公認」が候補者得票押上げに寄与している。
象徴的な例が6月13日に実施されたサウスカロライナ州の連邦下院予備選挙だ。トランプが支援したラッセル・フライが、現職のトム・ライスを破った。フライの得票率51%に対しライスは25%で、ダブルスコアの大差となった。
ライスは昨年1月6日にトランプ支持者が連邦議会を襲撃・占拠した事件を巡り、その扇動の疑いでトランプを弾劾訴追することに賛成した人物だ。ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙によると、予備選の唯一、最大の争点はトランプ弾劾の是非だったという。