ドイツ元首相がプーチン崇拝者、崖っぷち名門「チェルシー」金の切れ目が縁の切れ目?「右腕」が孫正義に三行半世界最大の資産運用会社が唱える資本主義の「新しい形」

約束を破られた怒り
親ロ派がドイツ国民の5割弱?

 プーチンは空から降ってきたノストラダムスの大魔王だ。こんな輩をのさばらせてはいけない。ただし、である。あらん限りの呪詛をプーチンに浴びせかけた上で言いたい。

 奴をその気にさせた西側の罪も大きい。シュピーゲル誌によれば、ドイツのヘルムート・コール元首相と米国が、ソ連最後の指導者ゴルバチョフに「1センチたりとも、NATOが東方に拡大することはない」と太鼓判を押したのだ、と言う(2月15日付)。

 1993年、ロシアのエリツィン大統領が重ねてクリントンに確認している。「東西ドイツの統一を認めた2プラス4条約の精神は、NATOを東方に拡大しない、ということだよね」。ところが、その後、NATOはポーランド、ハンガリー、チェコを次々に吸収した。西側に欺された、このままではウクライナもNATOに参加する。プーチンが疑心暗鬼になったのも無理からぬところがある。

 かてて加えて、見過ごせないないのは、メルケルの前のドイツ首相、ゲアハルト・シュレーダーの言動だ。1998年から2005年まで7年間、首相を務めた。シュレーダーはコールを破ってSPD(社会民主党)を政権の座に着け、福祉制度に大なたを振るって、「欧州の病人」と言われたドイツを蘇らせた。SPD「中興の祖」と言っていいだろう。

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