リーダーが好んで使う「新時代」に隠された罠 吉田ありせば「ニューノーマル」をどう思い描き、喝破したか
巨額の費用流用にも沈黙する学生街
1968年、日本大学で発覚した約20億円にのぼる使途不明金問題は、真っ先に学生たちが追及のノロシを上げた。それは「全学共闘会議」という新しい闘争の形態を生み、全国の大学、高校にも広がった。
それから半世紀近くを経て再び巨費の流用疑惑が表面化、東京地検が背任事件として強制捜査する事態になった。だが、かつてのように学生が組織立って追及を始めたとは聞かない。立て看とデモ隊に囲まれた東京・神田の大学界隈は秋日に沈黙している。