“独立国家”日本を実現するための条件 風土、文化を肝に置き、経済活力を取り戻した暁に・・

日本は属国?

 べトナム戦争(1955~75年)や、1980年代の「米ソ軍拡競争」で、アメリカは膨大な軍事費を投入した。ソ連はその経済負担に耐えられず経済が疲弊し、91年に崩壊した。だが、アメリカもしかりで経済衰退を招いた。その結果、アメリカは「世界の警察の座」を担えなくなり、「世界の覇権の座」を降りた。オバマ元大統領はこのことを認めたが、トランプ前大統領は「アメリカファースト」と謳い、強いアメリカの復活を目指した。だが、2001年の9・11米同時多発テロから「テロとの戦い」掲げ、アフガニスタンのイスラム原理主義組織タリバン掃討を目指したものの、20年も経っても実現できず、昨年、バイデン現大統領は、アフガンから撤退、多くのアメリカ人、同盟国の人々を置いて逃げてしまった。アメリカの威信は地に落ちた。

 歴史学者でアリゾナ大学教授のマイケル・シャラーが1997年に上梓した『Altered States』(「日米関係とは何だったか─占領期から冷戦終結後まで」)は、戦後の日本の政治家の思考と行動を克明に記している。シャラーはアメリカの国務省、国防省、CIAなどの極秘資料を基にしてこれを書いた。

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