神話VS合理主義 非科学的デマをなぜ人は信じるのか
飛び交うワクチンのデマ
14世紀のペストから人間は変わらない
新型コロナワクチンに関して「ワクチンを打つと子どもを産めなくなる」などというウワサを流布する人たちが存在する。この種の非科学的なデマは「あり得ない」と医師である中原は笑い飛ばせるが、信じ込んでしまう人もいる。
このほか、新型コロナワクチンについて囁かれる根拠のないデタラメには次のようなものがある。
・新型コロナワクチンの効果はない
・メッセンジャーRNAタイプのワクチンは遺伝情報を書き換える
・ワクチン接種によってコロナウイルスが感染してしまう
・妊娠中にワクチンを打つと流産を起こす
・ワクチン接種によって自閉症になる
・ワクチンにマイクロチップが入っていて、行動が監視される
・ワクチンを打つと磁石やスプーンのような鉄がくっつくようになる
これらのデマを流す人には目的がある。新型コロナワクチンへの不安を煽り立てることによって反ワクチンセミナーを開催したり、ビタミン剤やら消毒薬を売ったりするのだ。つまりは金儲けにつなげようとする人たちが意図的に流布しているのである。それを信じ込んで、デマを他の人に広めるのは彼らの思うツボということになる。
中でも、最も収益を上げたのはアメリカのジョゼフ・マーコラという医師らしい。自身のサイトで「ワクチンが遺伝システムを破壊する」などと訴えて寄付を集め約8億円を懐に入れたとの報道がある。では、なぜこんな非科学的なデマが現代でもまかり通るのか。