野村も関与したアルケゴス破綻は 「コロナバブル」清算の始まりか

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バイアコム株の増資発表後の急落で破綻

 この3月下旬、金融バブル崩壊の予兆かと思わせるようなニュースが世界を駆け巡った。米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントが借入金やデリバティブでレバレッジを効かせた運用に失敗し、同社に融資していた大手金融機関が大きな損失を被ったものだ。

 3月29日、野村ホールディングスは「米国子会社において、米国顧客との取引に起因して多額の損害が生じる可能性のある事象が発生した」と発表。当該顧客に対する請求額は約20億ドル(約2200億円)とした。

 同日、スイス金融大手のクレディ・スイス(CS)は、「米国拠点の大手ヘッジファンドがマージンコール(追い証請求)に際してデフォルトを発生させた」と公表。破綻したファンドのポジション解消で発生する損失は未定だが、今年1~3月期決算に重大な影響が及ぶ可能性があるとした。同30日には、三菱UFJ証券ホールディングスも「欧州子会社において、米国顧客との取引に起因して多額の損失が生じる可能性のある事象が同26日に発生した」
と公表。損害額は約2.7億ドル(約300億円)に及ぶ。

 4月6日、CSは今回の損失は44億スイスフラン(約5200億円)、1 ~ 3月期は約9億スイスフランの赤字に転落すると公表。投資銀行部門とリスク管理部門のトップが辞任した。

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