「グローバリズムVS孤立主義」 交互に台頭するのはナゼだ

グローバリズムが孤立主義を呼ぶ
根底にあるのは経済的利益

 グローバリズムとは、ヒト、モノ、カネそして情報が国を超え、地球規模で動いてゆくことである。さらには、グローバリズムを良しとする思想を指すこともある。特に政治や貿易などにおいて、グローバリズムの視点から世界のスタンダードに焦点を当て、問題解決や安全保障など種々の面で世界を秩序に導こうとする大きな流れがある。

 狭い意味でのグローバリズムは、多国籍企業や巨大企業の国をまたぐ経済活動である。だが、国を超えた経済活動には政治や文化的な協調や対立が反映するため、単にヒト、モノ、カネや情報の移動だけではなく、文化や価値観、宗教、社会の仕組みの移動をもたらし、その影響や反動をお互いの国々が受けることになる。

 分かり易く言えば、世界と仲よくして商売したからと言って、いいことばかりではない、ということである。そうした、いいことも悪いことも引っくるめてグローバリズムだとすると、一方では、その動きや思想に否定的な考え方もある。それが孤立主義である。

 孤立主義は、アメリカについて言われることが多い。特にアメリカの建国から第二次世界大戦参戦頃までは、外交上で他国と同盟関係を結ばず、できるかぎり他国とのコミットメントを避けるのが伝統的な外交政策だった。

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