若者に増殖する学習性無力感日本再興を担う人財を育てるには・・・
肯定的な生活をしていない若者たち
国や企業が発展するかどうかは、その国民、社員の目を見れば分かる。みんなが豊かになれば国は発展するが、その逆はない。これは1962年から世界中を歩き回ってきた筆者の実感である。しかし最近の日本人、特に若者の目には元気がない。日本の若者は委縮して、積極的な働き方をしていないと言われる。
日本の若者は海外に武者修行にも出かけなくなった。OECD調査によれば、日本人の海外留学者数は2004年の8万2945人をピークに2011年には5万7501人、7年間で30%も減った。筆者は1990年に日本の会社を脱藩してから、アメリカのボストンやシリコンバレーの半導体企業の仕事をしてきたが、残念ながらアメリカでは日本人の技術者、経営幹部は余り見たことがない。最近のアメリカのハイテク産業の経営幹部、シニア技術者はインド人、イスラエル人、中国人、ベトナム人、中東の人で、日本人はあまりいない。
これまで筆者は日本の大学(法政大学、甲南大学、四国大学、九州大学)で教えたことがあるが、授業で前の席に座り、熱心に勉強するのは外国人留学生である。積極的に質問をし、意見を述べ、講義を終えて学生と飲みに行こうと誘うとそれに参加するのは外国人留学生ばかり。彼らは片言でも、何でも学んでやろうと目を輝かせて話し掛けてくる。