ハプニングを超えて 全豪オープン無事終了 ブレない「感染防止最優先」は国民共通

厳格な感染防止策を練り上げ
最終的に1日最大3万人の入場が認められた

 世界トップレベルの選手が集結するテニスの4大大会(グランドスラム)の初戦「全豪オープン」は、ビクトリア州の州都メルボルンで、例年学校が夏休みの1月に開催されるが、新型コロナの影響を受けた今年は、3週間遅れの日程(2021年2月8~21日)となった。海外からの出場選手や関係者、報道陣ら約1200人は、出発前72時間以内のPCR検査で陰性を証明した上で、大会側が手配したチャーター便17便で来豪。14日間の隔離期間後に前哨戦を経て本番、というスケジュールが設定された。

 大会を主催するテニス・オーストラリアは、ビクトリア州政府と11カ月間に渡って協議を重ねて、厳格な感染防止策を練り上げ、最終的に1日最大3万人の入場が認められた。非接触かつ追跡が容易なQRコード付きの電子チケットを採用し、会場を3つのエリアに分けて行動範囲を限定。会場内はすべてキャッシュレスだ。コート内の人数を減らすため、線審は置かず、カメラで自動ライン判定を行う「エレクトリック・ラインコール」も全コートで導入された。「アウト」等のコールは、録音された「コミュニティのヒーロー」(=コロナ最前線で働く人や消防士、ライフセーバーら)の声、というのが、「ハッピースラム」の愛称を持つ全豪オープンらしい。

ここから先は

2,051字
この記事のみ ¥ 200