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「失敗の政治学」の習得が長期政権実現の秘訣 岸田首相は「次の解散」で先例の教訓を生かせるか

「2度の首相」と「史上最長在任」の安倍晋三
成功の原因は第1次内閣での失敗と自己分析

 5月3日、現憲法の施行から満76年を迎える。新憲法下で就任した首相は、現在の岸田文雄首相で計33人である(延べ34人)。

 歴代首相の在任中の歩みをたどると、本連載で詳述したように、時の首相は政権の舵取り、政策運営、政局判断、各種の人事、出処進退などで、大小合わせて少なからず失敗を重ねていることが分かる。その場合、短命首相は同じような失敗を複数回、経験する例はまれで、失敗の教訓を生かして後の成功につなげる機会がないまま終わる例が多い。

 4年以上の政権担当者は、最長の安倍晋三を筆頭に計6人だが、それ以外の多くの首相は、「2度目の類似体験」はなく、一発勝負の連続となる。「最高権力者はやり直しが利かない」というのが通常のパターンである。

 最大の例外は、現憲法下で初の「2度の首相」と「史上最長在任」の記録を残した安倍だ。2023年2月に刊行された安倍晋三著『安倍晋三 回顧録』の「終章 憲政史上最長の長期政権が実現できた理由」の中で「成功の原因」を自己分析している。

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