50年後の「“反”復帰論」
懐古趣味に終始した半世紀報道
本稿が読者の目に触れる頃、沖縄では6月23日の慰霊の日も終わり、4月1日の米軍上陸から続いた苦い記憶を回顧する季節が一段落する。その間に挟まれた5月15日、つまり沖縄の本土復帰記念日が今年は50回目だったということもあって、新聞、テレビを中心に様々な特集が組まれた。
その末端で一翼を担った筆者は、客観的な批評者としての資格に疑問なしとはしないのだが、あまたのコンテンツは総じて懐古趣味が目立ち、新たな視点や現在につながる構造分析は少なかったように思う。