半導体ウエハー表面を精密・迅速に計測 レーザー光による非接触ナノレベル計測器の雄─ツクモ工学─

必要なナノレベルの平滑性
計測器開発に挑戦した光学機器メーカー

 現在、世界中で不足している半導体は、ご承知のようにスマートフォンや家電製品、自動車など現代人が生活で使うありとあらゆる機器に組み込まれ、「産業の米」と言われる。争奪戦が繰り広げられる中、半導体不足で自動車の生産ラインさえ止まった。

 その半導体の製造技術は近年、急速に微細化が進展している。そこに大きく貢献しているのがナノテクである。

 一般にIC(集積回路)チップは、様々な部品が小型化すればするほどより多くの部品が搭載でき、効率と速度が向上する。1個1 ㎝角ほどに過ぎないICチップは、微細なナノスケールの加工によって複雑な回路を形成している。現在の最先端の半導体は回路幅5ナノ(10億分の1)mの加工を製造工程で施されるが、本年中に2ナノm加工のプロセスが登場するとされている。

 半導体は、シリコンウエハー(基板)の上に配線が施される。配線が幾重にも重ねられて半導体チップになるのだが、配線が施されるウエハーは表面が平坦で汚れていないことが求められる。ナノレベルの微細配線が施されるのだから、ウエハー表面はナノレベル、もしくはそれ以下のサブナノレベルで平滑化され、綺麗でピカピカな鏡状でなければならないのだ。

ここから先は

4,433字 / 7画像
この記事のみ ¥ 200