イヌなどの伴侶動物に予防医学がん早期検出システムを確立する【メディカル・アーク】
伴侶動物は病状進行が速く
がんの早期発見は難しい
日本で飼育されているイヌの頭数はおよそ848万頭、ネコは964万頭だとされる。世界中ではもっと多く、アメリカだけでもイヌ6990万頭、ネコ7405万頭が飼育されているという。
彼らのことを、これまではペットと呼ぶのが普通だった。だが今ではネコやイヌなどは家族や友人と同じ位置付けだとして「コンパニオンアニマル」と呼ばれている。日本語では伴侶動物である。
その伴侶動物が病気にかかることがある。人間と同じように、がんになることも多い。人間の死因のうちがんの占める割合は27%ほどだが、イヌでは54%、ネコでは38%の死因とされる。
人間と違うのは伴侶動物では進行スピードが速いことだ。例えばイヌでは人間の5〜7倍ほどのスピードでがんが進行する。人間のがん治療では「5年生存率」などの数値がポイントになるが、寿命が人間より短いイヌでは「5年」は意味がない。悪性の腫瘍に罹ればほぼ1年と持たない。早ければ3カ月である。