上場に向かうあの会社の実力度 東京圏の交通ネットワークのつなぎ役 地下鉄一筋の“東京メトロ”
東京地下鉄(愛称東京メトロ)は、特殊法人の営団地下鉄(帝都高速度交通営団)が2004年に民営化されて誕生した特殊会社である。国が53.42%、東京都が46.58%という出資比率が維持されてきたが、今年7月の交通政策審議会によって、今後、株式を売却・上場し完全民営化に向かわせることが答申された。
同社は1927年に日本初・東洋初の地下鉄営業(浅草・上野間)を開始した会社の流れを汲み、交通量の多い東京区部とその周辺を営業区域としている。1941年に地下鉄会社2社を統合して「営団地下鉄」がスタートした。設立目的は「地下鉄網の整備」であったが、民営化後の2008年に副都心線を開業したのを最後に、整備の目途はついたとして既存路線の運営を業務としている。同社の営業キロ195㎞は、地下鉄としては日本最長である。