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【永田町に吹く解散風】あからさまな党利党略、個利個略 信は問いましたよね、で国民をだます気?

任期半分も経ってないのに日程まで浮上
防衛費も少子化対策も財源は決めないまま

 まさに「風雲急を告げる」。永田町に衆院解散・総選挙の風が吹き始めた。政権の中間評価となった4月の衆参両院5補選で4勝と議席を1つ上積みし、先進7カ国(G7)首脳会議(広島サミット)もこなし、内閣支持率が回復基調に乗った岸田文雄首相。勝負を懸けるなら今でしょ、というのが自民党内の早期解散論の根拠だ。「6月21日解散、7月9日投票?」という具体的な日程もささやかれる。

 とはいえ、前回衆院選からまだ1年7カ月。衆院議員の任期の折り返し点にも到達していない。にもかかわらず、なぜ解散なのか。来年の総裁選を乗り切るには、衆院選の勝利が欠かせないという首相の再選戦略に加え、日本維新の会を除く野党の低空飛行、そして大幅な防衛費増額路線、異次元の少子化対策を打ち上げながら、その裏付けとなる財源問題は未決着だ。国民の負担増が避けられそうにないだけに、具体案を決める前に信を問うておく。こんな、あからさまな党利党略、個利個略が浮かび上がる。

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