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【特集①】いい時代に育った私たち 今の日本を想像できたか、ごめんね

株式投資を薦める前に
会社を分かり易く説明することが必要だ

 ちょっと恥ずかしい話がある。かつて所属していた会社の編集会議。30代半ばだった。新入社員が「会社は儲けなければいけないのですか?」と聞いた時、「当たり前じゃないか」と切り捨てた。あれから30年。あの新入社員は重要な問いかけをしていたと思う。

 会社とは会社法に基づいて営利を求める集団には違いない。成長し、利益を叩きだすのが役目だ。だが、どのように利益を上げていくかが重要だと思う。それが会社のスタイルで、そこに惚れ込んだ(はずの)投資家が資金を投じ、配当や上場会社なら株価上昇でリターンを得る。

 当時は売上「兆円」を超える会社も少なかった。いかに大台に乗せるか。株式市場もそういう会社を求めた。いまは時価総額(株価×発行済株式数)が指標。ただ、僕らは大勢に流されて、きちんと会社の特色を十分に検証し、企業価値を判断してきたのか。

 会社の中身は実際に勤めて見なければわからない。売上規模が大きくて利益も多いけれど、社員は給料が安くて疲弊しきっている企業もある。売上げも利益も大きくは伸びないが、給料は良く雰囲気もいい会社もある。経営理念には立派なことを書いているが、不正を働く会社もある。会社が問題を起こすとメディアはこぞって取り上げるが、果たして会社全体の問題なのか、一部の狼藉なのか。

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