見出し画像

観光立国vs産業立国 インバウンド振興は三流国への道

栄え続けた国はない
衰退国は観光を売り物にする

 古今東西、栄え続けた国などない。どんな大帝国も必ず衰えるのである。古代ギリシャもイタリアのローマ帝国も、近世に大帝国を築いたスペインも衰退の道を辿った。

 古代ギリシャは紀元前5世紀から紀元前4世紀末が文化のもっとも栄えた時期である。紀元前4世紀ごろマケドニアのアレクサンドロス大王によってギリシャは統一された。アレクサンドロスは領土拡大のためエジプト、ペルシャなどオリエント各地に遠征し、オリエント文化がギリシャにも伝わってきたことによってギリシャでは両者が融合したヘレニズム文化が生まれた。科学がさかんになり、数学者のユークリッドや物理学者、機械工学者のアルキメデスなどが輩出した。だがアレクサンドロスはインド遠征からの帰還中に32歳で病没し、その死後、帝国は分裂してローマ帝国、ビザンティン帝国やオスマン帝国に支配されるようになっている。

ここから先は

4,630字 / 1画像
この記事のみ ¥ 200