民意を無視、ミャンマーの過激すぎる統治 孤立化するアウン・フライン国軍総司令官
「軍こそが国民を守る」が空しく響く、造反も
市民は軍や警察を「テロリスト」と呼ぶ
クーデターから3カ月目に入るミャンマーでは、日々内戦の様相を濃くしている。総選挙で圧倒的勝利を収めたNLD(国民民主連盟)の当選議員が中心となり設立した連邦議会代表委員会(CRPH)は、国軍有利の現行憲法の廃止を宣言、武装勢力と結びつきを強める。
4月9日、ヤンゴンの北70キロほどのバゴーでのデモ鎮圧のため、軍は迫撃砲まで使って80人以上の市民を虐殺、クーデター以降の犠牲者は700人を超えた。デモ隊の一部若者が手製の銃で国軍に応戦すると、国軍は機関銃を使い始めた。少数民族武装勢力の支配地で武装訓練を受ける若者も増えている。CRPHから国連特使に任命された少数民族出身のササ医師の活躍も大きく、全国で武装勢力の軍・警察への攻撃が始まり、「ロヒンギャ」もデモ隊支援を決めた。ミン・アウン・フライン国軍総司令官(以下アウン・フライン)が、クーデター後に喧伝した経済回復と武装勢力との和平推進は反対方向に進んでいる。