【産業】半導体不足だから国産化すべき? 大量生産など無理、日本の狙い筋

まさかよれよれのルネサスに頼るのか

 ワクチンの普及で新型コロナウイルス感染症の脅威から脱しつつある世界経済で、皮肉にも景気回復に伴う半導体の奪い合いが始まった。自動車やコンピューター、通信機器さらには太陽電池まで、半導体不足で生産がストップし混乱が広がっている。

 こうした事態を受けて、半導体の国産化強化を求める声が高まる。米市場調査会社のIC Insightsによると、2020年の半導体市場シェアで日本は6 %にまで低下した。1988年には50%を超えるシェアを獲得していたが、30年余りで8分の1以下に激減。コロナ禍のような「非常事態」や米中対立に伴う「地政学的リスク」を考慮すれば、「国産化が必要」とみるのも当然かも知れない。

ここから先は

1,101字
この記事のみ ¥ 200