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淡色サーカス


淡色サーカス 詩・写真Emeru 1996年編集








1988年、江戸の街新宿界隈に住んでいたころ、二丁目のゲイバーでマネージャーをやっていた通称「オケケ」とよく飲み歩いた。
都庁が東京から新宿へ移転が決まり、飲み屋街は不動産建築業のバブル効果を受けて潤っていた頃だ。
ある晩となりの県にいたわたしにオケケは電話で「今からタクシー使ってこっちへいらっしゃい。運転手さんに高速使ってって言うのよ。着払いするから早く来てねー。」と呼びつけた。タクシー代3万円。今思えばあれがわたしが経験した唯一のバブルだったのかもしれない。夢幻泡影。


Emeru


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