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化粧

テレビで男性タレントさんが2年間付き合った人にプロポーズをして断られた、というのをtwitterで見た。
いろいろ理由があったようだけど、その中に「すっぴんは手を抜いている、と言われたのが嫌だった」というのがあって、ひとがすべての「呪い」から自由になる日は来るんだろうか、と思う。
女性はフォーマルな場所では化粧するべき、とか。
男性は奢るべき、とか。

あ、でも、私は割り勘は当然だと思うけど、それを男性側が言い出すのはダサいと思うのだよね。
男性は、いまもまだ少し下駄を履いていると思う。
それは現代に生きる男性のせいではないのだけど、でも下駄に無自覚でいるのもちょっと違うんじゃないか、って。
それと奢り奢られもまた違う話ではあるけど。
ま、いろいろ意見があると思うから、これ以上言わない。

私が初めてきちんと化粧をしたのは自分の結婚式だった。
化粧した、というか、してもらった、だね。
私の行動原理はともかく「面倒くさくない」が根底にあって、化粧そのものというよりそのあと「直し」をしないといけないというのがすごく面倒くさくて、それなら最初から化粧しない方がいい、と思ったし、実際いつもすっぴんでいた。
今ほど「化粧は最低限のマナー」なんて言われていなかったんじゃないかな。感覚が外れ値なので自信ないけど。

その後、一番ちゃんとメイクをしたのは子どもが小さいときのママ友とのランチ。お洒落なママさんが多くて、ランチができる小洒落たお店がたくさんある地域で、たぶん身の丈以上の何かに飲まれていた。あのころが一番服装にもメイクにも気を使っていた。
ママ友との付き合いが少なくなって、またメイクをしない日常が戻った。
いまは仕事をするときはメイクをしているけれど、マスクをしているので目元だけの手抜きメイク。直しはしない。

先日、友達とランチをして、その人はいつもきちんと化粧をする人なのだけど、私はその日は休日なので当然化粧をしておらず、眉とアイラインしか引いていなかったので友達にドン引かれた。
「家から一歩出たら7人の敵よ。武装しないでどうする」
「いやいや、生身で十分戦えるから。休日にまでメイクとか面倒くさいじゃん」
「出たよ、面倒くさい笑」
友達は、起きてから寝るまで、素顔を人に晒すという概念がない。
きれいな肌をしていて、眉だって麻呂じゃないし、加工の必要がないと私には思えるけど、いつもキレイにお化粧している。
彼女の言う通り「武装」なんだろう。

化粧することに自覚的でいたいな、って思う。
なぜ、なんのために化粧するのか。
自分で「化粧がマナー」と思うならそれでいいし、「化粧が好き」ならもちろんそれでいい。誰かから好かれたいでもいい。強くなれるんだったらそれでもいい。
自分でそう思うならそれでいい。
マナーとか礼儀とか、好みとか、外野からとやかく言われたくない。
そんな実体のないものに対して武装する必要はない。



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