果物の話
この世のあらゆる食べ物の中でさくらんぼが一番好き。
人生の最後に食べたいくらいだが、そうなると6月に上手くその時を迎えななければいけない。そんなの至難の業だよね。
これまでの人生でさくらんぼを買ったことがない。
父の実家が果樹園をやっており、私にとってさくらんぼは「6月に送られてくるもの」だった。父の実家の代が変わってもそれは続いており、今年も先月たくさん送られてきた。
そんな環境になければ、もしかしたらさくらんぼの味を知らずに一生を終えたかもしれない。
高価なので親が買ってくれたかどうか、昔の生活を思うと心もとない。
子どものころに食べなければ、たぶん大人になっても食べないだろう。
果物全般好きだけど、さくらんぼの次に好きなのは八朔。
少しパサッとしてて、酸っぱくて、少し苦いのが最高だ。
酸っぱくて苦いといえば、早生の真っ青なみかんも大好き。
酸っぱければ酸っぱいほどいいけど、それが出回るのもほんの一瞬。
出会えないことのほうが多い。
昨年、あまりに褒める人が多いので「紅まどんな」をふるさと納税で買ってみたのだが、全然好みではなかった。
美味しかったけど一つでじゅうぶん、もう一生食べなくてもじゅうぶん。
甘くて果汁たっぷりなところが「もうじゅうぶん」の理由。
私には八朔の苦くてパサッとしてるほうが好みだった。
冬は温州みかんを箱で買って、手足が真っ黄色になるまで食べる。
子どもの頃はひと房ひと房ていねいに白い筋を取って、ストーブの天板の上に置いて少しだけ焼いて食べるのが好きだった。
親によく「火傷するからやめろ」って言われて、実際やかんに手が当たりそうになってスリル満点だったけど、あの、ちょっと焦げた温かいみかんがそれはもう美味しくて、怒られてもやめられなかった。
柑橘類が好きなミーハー(死語)なので、手に入る限りの柑橘類は食べた。でも、八朔と、ストーブで焼いたみかん以上に好みの柑橘類にはまだ出会っていない。
あと、好きなのは、梨。
それに、すいか。
シャクシャクした歯ごたえが好き。
すいかに塩かけて食べますか?
私は何もかけないのが好き。
さくらんぼ送ってくる父の実家では、すいかに砂糖をかける。
でも、さくらんぼを洗うときは濃い塩水で洗っていた。
そのほうが甘みが増すらしい。
ホント、習慣ってそれぞれね。
あ~果物が好きといいながら、好きじゃない果物もある。
メロン、マンゴー、ラフランス、キウイ、熟れた桃。
なんか、あのにゅるっとした感じが苦手。
柿も少し固くて渋いくらいが好きで、熟れたにゅるっとした感じになると、ちょっと遠慮したくなる。
ぶどうも全般的に苦手。集合体っぽい感じが…
果物はいまや贅沢品。
スーパーでひさしぶりにプラムを見て、買おうか迷ったけど、ひとしきり考えてやめた。
みんなが食べるなら買うけど、自分一人しか食べないならいいや、って思ってしまう。
で、けっきょくハーゲンダッツを買って高くついたんだけどさ。
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