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音楽の要請

ピアノ弾くとき全然頭使ってないなー、と思う。
深く吟味することなく、なんとなくこんな感じ?で弾いて、先生に言われて気づく。

先日のレッスンで
「ここのリタルダンドってどう処理されてますか?」
と聞かれて、簡単に言えば深く考えてなかった。
もともと、どんな音楽も淡々と過ぎていくのが好みで、大きく歌い上げてテンポを揺らすのは好きではないので、「リタルダンドだとわかるようなリタルダンドではなく、静かに収まっていけばいいかな、と思いました」と答えた。

先生は、決して諫めるふうではなかったんだけど、
「どういうふうに弾くかをニュアンスで決めるのはよくない」
というようなことを仰った。
そのリタルダンドがなぜそこにあって、どういうふうに弾くのかは、音楽が要請しているものだ、謙虚にそれに従え、と。

言われて初めて、そのリタルダンドを、どこから、どのくらい、どうやってゆっくりにするのか、自分は何となく決めていたことに気づいた。
というか、自由に決めていいと思っていた。
その表現が個性なのでは?と。

でもそうではなかった。
どうしてそのように弾くのか、客観的な裏付けがある。
音楽の要請に従って弾く。

聞き惚れたよね。
音楽の要請、って言葉、かっこよくない?
楽譜を丁寧に読み解いて、音楽に傅く。
そこから得られたものを謙虚に再現する。
学問を修めた人から聞く話って、とことん面白い。
毎回、目から鱗がバラバラと剥がれ落ちる。

もちろん、しっかり反省もした。
楽譜を読むって大変なことなんだな。
表現云々の前に、私にはしなければならないことが山ほどあるんだな、と。



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