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日曜の夜

今年の大河ドラマを見ないことに決めた理由はいくつかある。

ひとつは単純に予告で興味を惹かれなかったから。
もともと江戸文化にもあまり興味がなく、それは裏返せば学ぶ機会が得られると言えるけれど、予告で醸し出されたテンションがあまり好きではなかった。

あと、これは昨年末からうっすら感じていたことで、毎週日曜日の夜8時にテレビの前にいる(正確にはNHK+で見ているのでタブレットの前だが)のが段々しんどくなってきていた、ということがある。
リアルタイム視聴しなければならないわけではない。録画すればいいし、それこそNHK+なら好きな時間に見られるのだが、「光る君へ」はリアルタイムでしか見たくない、その場ですぐ見たい、という欲求を起こす番組だったのに、それでも一年もそれが続くと拘束感がしんどかった。
日曜日が待ち遠しい、から、また日曜日に見なきゃ、になって、それがさらに一年続くのが「嫌だな」と思ってしまった。

「鎌倉殿の13人」の時もまったく同じだった。
毎週毎週あんなに待ち遠しかったのに、年末には「これもう一年続けられるかな」と感じ、実際家康は3回くらいで離脱した。私には面白く感じられなかったし、「もう少し辛抱して見てみよう」という気さえ起こらなかったからだが、そもそも日曜日の拘束感に嫌気がさしていたからでもある。

そして、鎌倉殿の時にも感じたのだが、一年間の諸々を含んだ感動…たとえば単純に一年間完走したことだとか、ドラマ自体の面白さだとか、見続けさせる力だとか…を上書きされるのが嫌だ、と思った。
そんなことを言ったって、その感動も徐々に薄れていくのだけれど、まだもう少しの間は「光る君へ」に浸っていたい。まだ上書きされたくない。

自分で書いてて変だと思うけど、なぜ上書きなのかな。
別名保存でいいのにね。
そうだな、やっぱりただ、まだ、浸っていたい、ということなのだろう。

昨日の日曜の夜。
想像していたとおり、拘束されないというだけで晴々としていた。
今年の大河ドラマも大変評判がいいようだ。
今ならまだ追いつける、というか遅れをとってもいないけれど、一度手放した興味を引き寄せようとは思わない。

次にテレビを見るのはいつになるのだろう。



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