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成長

練習中の曲の、この音型。

グルリット 即興曲


この左手の音型が苦手、というか嫌い。
苦手だから嫌い。嫌いだから苦手。

BEYERに取り組んでいた時も、こういう音型には苦労させられた。
72番とか。

BEYER 72

先生に教わっていくらさらっても左手が全然弾けるようにならなくて。
泣きそうな気分で練習していた。
先生の言うとおりにしようと思っても言うとおりになんかならないし、何をどうしたら弾けるようになるのか皆目見当つかなくて、永遠に終わらない、と絶望していた。
おまけでOKもらった曲はいくつもあるけど、これは私が「もうやりたくありません!」ってオーラを出した気がする。
先生が勧めてくださったものは「やらない、やりたくない」と言わないと決めているんだけど、口には出さなくても態度に出てればおんなじよね。
3回目のレッスンで先生のOKサインがあった。

そのときのつけをいま払うわけである。
「あ~出たよ、この音型」
すぐBEYERのときのことを思い出した。
いやいや取り組んでいた苛立ちとか、全然弾けるようにならない憂鬱とか。

「BEYERのときもすごく嫌で、またこれかぁ、って思いました」と言うと、先生は「でも上手になられましたよね」と言ってくださった。

「半年くらい前だと『こう試してみましょう』と言ってもすぐにはできなかったけど、いまはパッとできますよね」

そうかなぁ。そうなのかなぁ。

でも、先生に言われたとおりに練習してみると、少なくとも「もう無理!」とは思わないし、教わったことをすぐに試して比較できる。
確かに弾けるようになった感じがした。

やっぱりメンターって大事だ。
前よりもできることは積み上がっているんだけど、課題ばかりが目に付くので、あれもダメこれもダメとできないことを数えてしまう。
そういうとき、成長を見守って客観的に状況を捉えてくれる存在はありがたいな、と。

ちょうど2年前の今ごろ、ピアノの先生を探し始めた。
一度は諦めかけて、独学でもいいかと思ったけど、先生に習うことができてよかったな~って、こういうことがあると実感する。
ま、先生が褒め上手なんだけど。
私も階段を一歩ずつ上がっている。

BEYER 72番も、いまはいくらかスムーズに弾ける。



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