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ウェイトドール

先日、娘の結婚相手のご家族と顔合わせがあった。

結婚式をしないので、その代わりとなるような簡単な「花束贈呈」みたいなことはしたほうがいいよ、とあらかじめ娘には伝えておいた。
お相手が「感謝の手紙を読むのは絶対に嫌」と言ったそうで、花束贈呈だけするね、花束はレストランに頼んでおいた~、と娘が言っていたのだけど、サプライズがあった。
それが、ウェイトドールのプレゼント。

娘がくれたウェイトドール

ウェイトドールは出生体重と同じ重さのぬいぐるみのことで、出産祝いや結婚式の両親への贈り物として人気らしい。

これまでウェイトドールというものがあるのを知らなかった。
あー、それでこの前「生まれた時何kgだった?」って聞いてきたんだ。
全然気づかなかった私😅

娘の出生体重は3120g
当然、子育てしてるときは重さなんて全然感じなかったけど、ウェイトベアになるととても重かった。
ずっしりとして、「3キロってこんなに重いの?」と驚いた。

お相手のドールは2900gのこげ茶色のくまだった。
ひとしきり大変なお産の話に花が咲き、それとなくお互いの価値感が似ていることを確認し、それなりに打ち解けて会は終了した。

プレゼントされたくまは足が少し開いていて、抱っこするといい具合にお腹に収まる。
夜、ひとりでくまを抱っこしていると、いろいろなことを思い出した。
生まれた瞬間から今の今までただひたすら可愛かった。
可愛い、可愛い、と言っていたらここまで来れた。
賢くて、優しくて、私には過ぎた子どもだ。

3キロって重いなぁ。
でも、その重さこそ、これまで味わってきた幸せの始まりだったのだ。
いまではもう、抱えることもできない、測ることもできない、巨大な塊になった。

感慨に耽って泣くと思ったけど。
涙は出なかった。
なんだか嬉しいの。
嬉しくて、嬉しくて、くまを抱っこしながら、いつまでもどこまでも幸せだな、と笑顔しか出てこなかった。



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