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無香料という香り

化学物質過敏症、というほどでもないが、苦手な香りが多い。
まず、パルファム、トワレ、コロン、と名の付くものは何であれ受け付けない。これほどまでに香料が苦手になる前に香水をもらったことがあるけど、その頃から香水の類には漠然と嫌悪感があった。
いまは半径10mくらいに近づかれると「あ、いるな」とわかるし、それ以上近づくと頭痛で一日使い物にならなくなってしまうので、そそくさと移動する。
一度、移動しているつもりで香源に近づいてしまったことがあったので、ともかく息を止めてできるだけ速く、できるだけ遠くに逃げる。

LushやL'OCCITANE、SABONといったお店にも近づけない。
けっこう広いモールでも入っていればすぐわかるし、そのフロアでは買い物しない。
THE BODY SHOPはお店の近くには行けるけど、買い物はしない。

デパコスのフロアも近づかない。
悲しいことに、デパートのコスメフロアは低階にあることが多く、そこを通り抜けないと目的の階にたどり着けないことが多くて悩ましい。
デパコスの香りって、大人になった今ではそうでもないけど、ある種の憧れというか、その香りの持つ独特のブランドイメージがあって、それは本当に捨てがたい。
でも、頭痛と吐き気に換えてまでは使わない。

ハーブ系ならいいかというとそうでもなく。
ラベンダーやカモミールの香りは苦手だ。
あ、ローズも。
でもゼラニウムは好きで、花の香りが全部だめというのでもないところが我ながら面倒くさい。
でも、最近はブレンドされた香りが多いので、ハーブや花の香りには近づかない。

この時期よくいただくハンドクリームも大敵だ。
夏も冬もこまめにハンドクリームを塗るので、始終手から嫌な香りがしていたら絶望的だ。
柑橘系の香りは好きだけど、ハンドクリームの柑橘系は時々まがいものっぽいことがある。あれは化学の香り。

無香料には無香料の香りがある。
原材料の香りというのとも違う、いろんなものを混ぜた果てに無理矢理香りを消した感じとでも言おうか。
まったく香りをなくす、というのは難しいようだ。

で、結局行きつくところはCurel。
Curelの無香料は無香料に近い。
害がない、というか。
なのに、別の無香料トリートメントに浮気してしまい、いま、頭痛に襲われている。
昨夜使ったとき「あ、これあかんやつ」とすぐに洗いなおしたのだが、頭痛は取れない。こういうのが化学物質過敏症のやっかいなところで、気のせいっぽさがあるのが理解されにくい原因だ。
しかも髪はトゥルトゥルときてる。香りさえなければ使い続けたいくらいにつややかでまとまりが良い。
でも頭が痛い。いろいろな意味で痛い。



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