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HEROSHOW vol.11- ワーケーションの先にあるもの。働き方と暮らし方を考える -

こんにちは。NEWHERO事務局の堀内です。
毎回テーマに応じたゲストを招き、インタビューや参加者の皆さんとのワークや議論を交えながら開催しているHEROSHOW。

今回は、2021年10月27日(水)に開催した、第11回HEROSHOW「ワーケーションの先にあるもの。働き方と暮らし方を考える」のレポートをお届けします!


【ゲスト】
上前 知洋さん
長野県立科町企画課地域振興係 係長

渡邉 岳志さん
一般社団法人 信州たてしな観光協会 専務理事
日本ワーケーション協会認定コンシェルジュ

ワーケーションの先にあるもの

日本ワーケーション協会では、ワーケーションを7つのタイプに分類されています。冒頭では、その7つの分類の説明をして頂きました。

ー立科町のワーケーションは企業の研修やハッカソンに特化している印象があり、「ワーケーション」という言葉が知れ渡る前から取り組みを始められていたと思います。ワーケーションを始めたきっかけをお聞かせください。

上前さん「女神湖沿いのペンションやホテルで仕事をしてくださる企業を誘致したいと、平成29年度に“立科ワークトリップ”というブランディングを立ち上げたことから始まりました。これは立科町のテレワーク事業の一部なのですが、もともと立科町では“社会福祉型テレワーク”を行っており、オフィスでフルタイムに働けない方がテレワークで働けるような仕事を確保する必要があったんです。開発合宿やワーケーションにきてくれた企業の方と繋がり、町のテレワーク事業にご協力いただけませんか?とアプローチをしていたのですが、最初の2~3年は鳴かず飛ばずで、仕組みを変えるまで沢山の失敗事例がありましたね。」

ーワーケーションというと、地域の外に目が向いている印象だったのですが、“地域の人のために”という想いが根底にあるのが凄く面白いなと思いました。鳴かず飛ばずだった頃と仕組みを変えたとのお話でしたが、前後で工夫されたことはありますか?

上前さん「最初は立科ワークトリップというポータルサイトを作りワーケーションに必要なものを全てお貸ししますよ、好きな宿を選んでくださいねというスタンスだったんです。けれど、町や宿に問い合わせは来るものの、実施には至らないケースが多かった。何がハードルなのかと考えたとき、そのエリアでは何ができるか、この宿はどういった仕事に向いているのかなど、現地での情報をコーディネートしてくれる方がいなかったことに気付きました。そこで、コーディネータ―として渡邉さんに入っていただいたことが大きな変化です。」

ー渡邉さんがコーディネータ―として入る際に意識されていることはありますか?

渡邉さん「初めての場所に来ること自体にまず絶対に不安があると思うので、現地の気温やおすすめの持ち物などを具体的にご提案しています。ワーケーションはあくまでもワークがメインなので、全力で仕事をしてもらいたいから、仕事に集中できる環境がつくれるようなおもてなしが大切だなと思っています。ワーケーションって募集型企画旅行のような、こちらがパッケージで提案する形ではなかなか実現はあり得ないと思うんですよ。完全オーダーメイドで相手の方に合わせて予定を組んであげるというのが、ワーケーションコーディネーターの勘所なのかなと思いますね。」

地域の方たちとワーケーションに来られた方との繋がりや、浸透のさせ方

ー社会福祉型ワーケーションというお話がありましたが、地域の方たちやワーケーションに来られた企業の方々との接点や、ワーケーションをした後の繋がりなどはいかがでしょうか?

上前さん「立科町はオフィスで働くとなると車で30分は移動しないといけない場所にあるため、子育てや介護、障がいなどでそれができない方々が住民ワーカーとして登録されています。そういった住民ワーカーの方に、ワーケーションに来て下さった企業の方からお仕事をいただいた事例もありました。また、住民の方とディスカッションしたいというお声もいただくことがあるので、そういった場を設けることもあります。“社会福祉型テレワークの実装”というビジョンがあるからこそ、ワーケーションでも観光に引っ張られず、何回か波が押し寄せても骨はしっかり持っていられるし、住民や議会の方が理解してくれるのだと思います。」

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子育てをしているからフルタイムで働くのが難しかったり、住んでいる地域によっては仕事がなかったりすることもあります。立科町の取り組みはさまざまな理由で就業が難しい方の“社会参加”の為の後押しと、場所に関係なく雇用を生むことができる仕組みで、まさに地方の社会課題を解決しているHEROだと思いました。

参加者の方々から寄せられたご質問

最後に、参加いただいた方々から寄せられた質問にお答えいただきました。

ーワーケーションを実施しているペンションがある辺りは、地元住民の方は住んでいないのでしょうか?

渡邉さん「立科町の人口は約7000人ですが、観光地であるペンションのある辺りには300人ほどの地元住民の方が住んでいます。ですので、住民の方は少ないですね。誘惑が少ないから仕事に集中できたという声をいただくこともありました。」

ーワーカーだけでなく地元企業の方にディスカッションに参加してもらうのはいかがでしょうか?

渡邉さん「僕もその通りだなと思っています。ワーカーさんは人と話すのに慣れているのですが、地元企業の方は『はい、ディスカッションして』と場を用意するとガチガチに緊張してしまうんですよね。最近、テントサウナにワーケーションを利用していただいてる方と地元企業の経営者が一緒に入っていただいたことがあったのですが、サウナは横並びで対面しないので、すごくリラックスして話せていてこれはいいなと思いました。場をどのようにご用意するかも大切ですよね。」


今回出演いただきました上前 知洋さん、渡邉 岳志さん
そしてご参加いただいた皆様。
貴重なお時間をありがとうございました!

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NEW HEROはこれからも、社会課題に向き合い活動されるソーシャルアクティビストのみなさまをクリエーティブの力で社会とつなぎ、サスティナブルに活動を続けていくためのお手伝いを通して全国のソーシャルアクションを加速していく活動を続けてまいります。

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ゲスト:上前 知洋さん
長野県立科町企画課地域振興係 係長
渡邉 岳志さん
一般社団法人 信州たてしな観光協会 専務理事
日本ワーケーション協会認定コンシェルジュ
インタビュアー:加藤 朝彦
グラフィック:藤田 絵梨(NEWHERO事務局)
文:堀内香(NEWHERO事務局)


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