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拡大する『夢』と人の『金』

私のともだちの話
バリ島にリゾートホテル、リゾートホストクラブを作った倫太郎

お客様はひっきりなしに行っていた。

バリ島の若くてイケメンの男子を当てがわれ、毎日彼らのバイクに跨り
色んなところを観光して回っていた。

そして夜は夜で違う接待を受けていた。

歌舞伎町で300万使うくらいであれば、バリで100万使った方が良いと。

当時のバリ島の現地の人たちの給料は数万円にも満たなかったのが、この仕事を引き受けるようになり、担当する若い子達は親に家を買ったり、そしてスーパーを開いたりと、自分達で仕事をどんどん作っていった。

倫太郎は全てが順調で上手くいっていると確信していた。

その時一緒に何度もバリに来ていた知子さんにも『夢』が出来た。

ある日また倫太郎と懲りずに私の職場に遊びにきた知子さんが意気揚々と話した。

『私、バリに行って海に入って波を受けながら考えたのよ。人生って最高だってこと』

『この人はほんまに天然というか、一番の『悪』だな』と心から思っていた。
私はこの知子さんのことをもはや心配していた。
『この人倫太郎いなくなったら、もう絶対終わりやな』と思っていた。
そして知子さんは言った。
『私ね、現地の子たちと一緒にスーパーマーケットをやるのよ!!』
『そ、そうなんですか」
『出来たら遊びに来てね!』と話していた。

弁護士事務所で事務員と愛人しかしてこなかった知子さんが、スーパーのオーナー 先が見えてる気がした。
倫太郎がすかさず私の顔色を読み言った。
『えっちゃんバリ遊びにおいでや!!俺の作ったところ宿泊できるで!』と。

私はまだバリに行く気にはならなかった。

知子さんがどんどんエスカレートしている姿が、恐怖になった。

『倫太郎。知子さんやねんけど、あんたがホスト辞めたら大丈夫なんか?』
『それ俺も考え取ってん。』
『あんた今でもお金半分渡してるんやろ?あの人仕事どないしてるん?』
『弁護士事務所辞めて、今はバリ島一本や。でもなバリに来る女性たちのサポートなど裏で色々動いてるんよ』
『そうかそれは大事な役割やな。』
『それにしても、スーパーマーケットとかってほんまに大丈夫か?って思うけどな』

『知子さんのお金やから、俺は口出しする必要ないから』
『そうやな。』

バリのリゾートホテルは着々と増床し、部屋数や庭、さらにはサウナまで作って大型施設になりつつあった。

たまたま友人の結婚式がバリ島であるので招待された。
倫太郎のバリのリゾートホテルに行くことにした私。
そこで倫太郎の深い闇を見ることになった。
#私の話 #ホストクラブ#知子さん#リゾートホテル#バリ島


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