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愛されるということ
倫太郎は清子さんと一緒に私の会社に来た。
初めて来た時から2年ほど経っており、話は聞いていたが清子さんがどれだけ変わったか?私は知らなかった。
『久しぶりー』と陽気な倫太郎の横に朗らかな顔した、風吹ジュン風の女性が立っていた。
小声で『倫太郎、また新しい客か?』
『え??清子さんやで前に会ったやろ???』
私は度肝を抜いた。 骨皮筋子のようにガリガリで、目はギラギラしておばさんパーマだった清子さんが、今では妖艶なる雰囲気の豊満な女性に代わっていたのだ。
『り倫太郎。。。めっちゃくちゃ綺麗になったやんか。。。』
『え??俺?抜けたやろ!! あははは派』
『あんたちゃうねん。清子さんよ!!!』
『ご無沙汰しています。お元気でしたか?』
もうその顔は仏のように穏やかで、そしてとってもチャーミングな女性に変貌を遂げていた。
『元気でした。清子さんめちゃくちゃ綺麗になりましたね』
『いやーそんなこと言われても、何も出ないわよー』
ハニカミながら話す清子さんがとっても可愛く見えた。
『俺が最後やからって言ったら、清子さんがどうしても会いたいわって連れてきたんよ』
『長い間彼には本当に良くしてもらって、感謝が尽くしたりないからね。彼の周りの人にも感謝を伝えたくて来たのよ』
『そうでしたか。清子さんもいつまでもお元気でそして綺麗でいてくださいね』
『そうね、これからだもんね。人生は』
壮絶な人生を生きてきた清子さん。
旦那さんに割り箸で刺された傷跡は痛々しく残っていたが、そんな傷も跳ね返すくらい、綺麗で可愛くなっていた。
倫太郎が話した
『あのな、女の人は一生愛されなあかん。 そしてセックスはしといた方がいい。絶対に。俺が保証する。 そうやって安心感の中で生きていけば、どんどん綺麗になっていくからな。』
あの時はこんなに変わる清子さんがいるから言えたんだと気づかなかった。
『俺らこれからバリ島に行ってくるわ。
『これで最後の旅行になるかもしれないからね。バリ島は』
二人はにこやかにさよならを告げて出ていった。
その後ろ姿は、とっても素敵なカップルにも見えたし、同志にも見えた。
倫太郎は清子さんに生かされ。 清子さんは倫太郎に生かされた。
『いってらっしゃい!!ずっとお元気で!!』
私は大きなエールを二人に送っていた。
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