SWingとプラチカの使い方
Twitterでお知らせをした「SWing」と「プラチカ」の使い方を以下にまとめました。
1.SWingの使い方
この教材の目的は、①英文法の知識を整理する、②主にライティングに向けて自分が使える表現を増やす、という2点にあります。ときどき、「ネクステ系をやっているので、SWingをやらなくてもいいですか」という質問をもらいますが、ネクステ系では①の役割は果たすことができたとしても、②の役割にはまったく不向きなので、目的が違うとしか言えません。
②の目的を果たすためには、最終的には例文を暗唱ができる状態がゴールと言えます。具体的な使い方は同書のp.4~p.5をよく読んだうえで、以下の流れでUnit単位にすすめてみてください。
① Outlineを読んで、ひと通りポイントを確認する。
② Inputの問題を解いて自己採点。それぞれのポイントについて確認する。in depthの説明を見てもよいが、この段階ではin depth掲載の類例を覚えようと欲張らなくてOK。例文の構成になる理由が不明なものや、自分の書いた答えが不正解の理由が不明なものはできるだけ質問する。
③ Inputの例文の音声を使ってディクテーション(書き取り)する。これと「視写」を繰り返して例文を暗唱できるようにする。最終的には各例文に含まれているポイントが何かを理解しつつ、日本語を見て英語を浮かぶ状態になることがゴール。
④ Intakeの日本語を見て英訳を試み、模範解答とRuleを確認。③のInputの例文が理解できているかのチェックをここで行う。
⑤ in depthをチェックして他の類例も確認する。
「視写」というのは、その名の通り、解答例を見て書き写すことです。例文を覚えながらライティングへつなげる基本的な勉強法ですが、1語ずつ写しても効果は薄いものです。まず模範例を音読し、構造や意味を把握し、正しく音読できて意味が分かる文であることを前提としたうえで、1語ずつではなく、数語から、できれば1文という、できるだけ長い単位で記憶し、書き写す。最終的には日本語を見て英語が欠ける状態になれば卒業、という流れで取り組んでみましょう。
Unitはどこの単元から始めても構いません。頭からでもいいし、高校2年生などは、教科書などで出会った単元のUnitを優先して取り組んでもいいでしょう。また、InputとIntakeを優先させて、in depthはInput/Intakeが終わってから取り組むという方法もありです。
2.プラチカの使い方
「構文把握のプラチカ」は、英文解釈の教材です。その名の通り、比較的短い英文の構造を把握し、正しく意味を理解できるようにする問題集です。この問題集に掲載されている問題が一通り解答できるようになれば、長い文章でも、辞書さえあれば読める状態になっていると言えるでしょう(課題は語彙を増やすことに移ります)。なお、同書は第Ⅰ部が英文解釈、第Ⅱ部が長文読解の問題集になっていますが、私が取り組んでほしいと思っているのは第Ⅰ部です。第Ⅱ部は長文の問題集として、第Ⅰ部終了後に取り組んでみてください。
本書に取り組んでよい人は、基本的な文法(名詞はSOCになる、形容詞は名詞を修飾する、副詞は名詞以外を修飾するといった、基本的な品詞の役割や文型)を理解している人なので、もしレベル的に不安があるようなら、最初に「英文法基礎10題ドリル」(駿台文庫)に取り組んでおくことをお勧めします。また、同趣旨の教材で、これよりも平易な問題集としては「入門英文問題精講」(旺文社)がありますので、低学年の人はこちらの方がよいかもしれません。
具体的な進め方は以下の通りです。
①問題を指示通り解く。全訳は作らず、構造を取りながら頭の中で意味を把握し、SVOC,(句),[節]をとりながら、下線部のみを指示に合わせて解答を書く。その際、何がポイントかをきちんと意識する。
②不明単語があれば辞書を引きながらでも構わないが、必ず、読む・問題を解く、とセットで行うこと。読み、英文の意味を把握しつつ、知らない単語に出会ったり、意味を知っているはずだが文脈に合わない単語に出会ったら、まず品詞を考え、意味を類推してから、辞書で調べる、というようにする。時間がもったいないので、一度自力で解いてから、二回目に辞書、という形まではしなくてもよい(時間に余裕があればそれでもOK)。
③できれば大問単位で解答をチェックし、訳ではなく、自分が考えたポイント、文構造が正しいかを確認する。誤っていた場合は、自分の構造の把握の仕方だとどんな矛盾が発生していたかに注目する。構造を間違えた問題は、×などつけておく。
④前の問題の反省を活かして次の問題に取り組む。
⑤調べた単語は単語帳などに転記して、暗記ルートに持っていく。
⑥ひと通り第Ⅰ部が解き終わったら、1回目で×のついた問題だけでよいので、2回目に取り組む。
高3生であれば、1学期中にはこの教材の第Ⅰ部を完成させたいところです。似た教材は他にもたくさんありますが、解説が一番詳しくて、ある程度基礎文法ができている人が、難関国公立大レベルまで解釈力を上げていくには、この教材のレベルが一番適切だと思っています。
なお、この手の問題集の一番の欠点は、解答が意訳されていることが多く、自分の解答と合わないことが多いという点ですが、やり方にも書いたように、訳ではなく、下線部のポイント、構造把握に力点を置いて自己採点してください。訳で注意すべきは、単語の意味を誤解していたことによる誤訳の場合のみでよいでしょう。特に多義語で、知っていた意味とは異なるケースは注意です。素直に単語の知識を更新させてください。