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単語帳を比べてみた

こんにちは。予備校講師・受験コンサルタントのシンノです。

さて、前回は単語帳から単語を学ぶ意味についてお話ししました。まとめると、単語帳は所詮単語帳、知っている単語の数を増やし、抜け漏れをなくすという目的で、可能ならば1冊だけでなく、いくつかのものに取り組むくらいが良いということでした。

今回は、この観点から、今売れている単語帳を比べてみたいと思います。前回の繰り返しになりますが、私の基本スタンスは「自分の好きなものでいいよ」です。また、人間のやる気はレイアウトやフォント、色の使い方といった視覚面でも大きく左右されます。誰かが使っているからとか、ここで私が勧めたからということにこだわらず、書店で実際に手に取ってみて、直観的に見にくい単語帳はやめましょう。

このスタンスにもかかわらず、あえて比べてみようと思ったのは、単語の配列などに大きな違いがあり、それを知ったうえで選択した方が受験生に有益だと考えたからです。まず、以下の表を比べてみてください(表の項目は以下の①~⑤と連動しています。特徴は若干遊んでいるのでツッコミ禁止)。

①品詞別にチャプターが分かれているかいないか?

個人的には品詞別の方が好みです。それは、特に直前期になって抜け漏れを確認する際は、優先順位の高い動詞・名詞だけをピックアップして確認する、といった目的で利用できるからです。普段使いでは品詞別でなくてもよいと思いますが、直前期のチェックで使うなら品詞別を選びましょう。

②ランダムに単語は配列されているか、類義語が並んでいるか?

これも個人的にはランダムの方が好みです。同じような意味の単語が並んでいると、前の単語から次の単語の意味が類推できてしまうので、その単語の意味を本当に覚えているのかどうか、私は不安になります。

③1語に意味は1つか、あるいは複数か?

単語帳では1つの単語に対して複数意味があっても正直覚えきれないものだと思います。あくまで見たことのある単語を増やし、抜け漏れをチェックするため、と考えれば、1語1義の方が単語帳の「本分」を果たしていると言えるでしょう。

④例文はあるか?

単語帳は所詮単語帳という趣旨に立てば、特に例文はマストと思っていませんが、時に日本語の意味が不明確な場合もあり、例文があって確認できた方が親切な構成と言えるでしょう。

⑤レイアウトに一貫性はあるか?

あるチャプターと別のチャプターでレイアウトが変わるとやる気がなくなるのは私だけでしょうか…?同じレイアウトで毎日同じように勉強できた方が継続しやすいと思います。

繰り返しますが、あくまで私の好みなので、皆さんは上のような違いがあることを理解したうえで、自分に合うスタイルの単語帳を選ぶきっかけにしてください。

なお、今回の比較では、収録語数とか、選ばれている意味の適切さなどは検討していません。どんな単語帳でも、多かれ少なかれ単語の漏れなどはありますし、意味の選定の良し悪しはあるもの。ですから、A単語帳で○○という単語が載っているが、B単語帳では載っていない、といった指摘はあまり意味がないと思います。はっきり言っておきますが、無敵の単語帳など存在しません。どの単語帳をやるかを考えている暇があったら、とりあえず何でもいいからやり切る方が成績は上がります。(新しい単語帳も、この数年でイロイロ出ましたが、どれも決め手に欠けます)

また、今回の比較では、売れ筋の中で「Duo」と「速読英単語」は除外しています。いずれも、単語だけをリスト化したものではありませんので、私が考える単語帳の趣旨には合わないからです。もちろん、例文や文章から単語を学ぶというスタイル自体は、合う人にはとても合うものなので、高校1冊目の単語帳として普段使いするなら、スタイルが合う人は取り組んで損がない単語帳です。

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