救急救命ーAED使用件数などの話
心肺蘇生をする機会
例のウイルスが騒がれだし、衛生用品が品薄状態でパニック状態だった2020年のある日、それは起きた。
「人が倒れている」
との声を聞いた。
見ると駅の水道の流しにはまるように倒れていました。
救急車の手配、AEDの準備、そして胸骨圧迫、人生で初めてした日でした。
正直、頭が真っ白になりました。この時は3人ほどで協力して対応しました。
連絡や胸骨圧迫の判断に手間取ってしまい、初期対応はやや遅れたかもしれません。
AEDの電気ショック不要のメッセージが出るのも結構、動揺しました。
このメッセージは心室細動も起きていないか、正常に心臓が動いていると出るみたいです。
状況は記憶のことも、相手のことなどもありますので、これ以上詳細には書きませんが、AEDを見たり、救命講習をする機会があるとこの出来事を思い出します。
AEDから見る救急救命
私が対応した、2020年に目撃のあった心肺停止した方の人数が、25,790人、うちAEDを使用したのが1,092件でした。
厳密には「心原性」心肺機能停止の統計なので、心臓に原因があるものの統計となります。(2021年で心肺機能停止の総数、約13万人、内心原性8万人、内目撃ありは約3万人、内市民目撃約2万6千人、内AED使用約1千人)。(参考:消防庁 令和4年度救急救助の現況 救急編)
対応した事例では原因は私は把握しておりませんので統計には含まれていない可能性もあります。
ただ年間、約2万6千人(1日約70人)が心臓が原因で倒れるのが目撃され、AEDの使用が約1000件、つまり約26人に1人、約4%がAED使用と考えると非常に貴重な経験のように思えます。
そこまで多くない私の周りにも使用したという人はいないです。
そして、AEDは現在全国約62万台設置されています。(参考:PHILIPS)
どうも世界有数のAED設置国のようですが、意外と少ない印象です。
公共施設や商業施設、駅などに広く浸透していますが、知られていなかったり、自宅から設置場所まで10分以上かかることは多くありそうです。
設置の代金、場所がかかるのは承知ですしメンテナンスの問題もあり不可能に近いとは思いますが、極論幹線道路に1kmおきくらい置いてあるのが理想です。
ただAEDない場合でも少なくとも心肺蘇生はしたいところです。
そして日常生活の感覚では人がバタバタと倒れているようなわけではないです。
超過死亡数が近年異常に伸びているとはいえ、恵まれた環境と言えます。因みに超過死亡数増加の原因についてはTwitter上などで大激論されています。
尚、全体の年間の死亡者数は日本で100万人から150万人です。
人間の死亡率は100%なので死に目に合うことは人生に一度あったとしても心肺蘇生が必要な場面は案外ないものです。
めったにない機会、焦ると意外と出来なくなります。そして、心肺蘇生(心臓マッサージ)は非常に疲れます。私自身、心配性で不器用なので同じことができるか心配です。しかし、やらないと命が救われる可能性は減ります。
そして、救急車の手配(119)はもちろんのこと、鉄道線路やホームの端であれば列車をとめる手配、車道など危険な箇所では傷病者を移動させるなど、安全の確保、二次災害の防止などすることがたくさんあります。
そのため、一度(推奨は3年に一度とされる)は普通救命講習は受けていたほうがいいと思います。消防署などで実施されているので一般市民でも受講できます。
また、正直今私自身がそこまで出来ていませんが、生活圏内のAEDの大まかな場所も知っておくと役に立つと思います。