記憶に残る文章とは?
4月から新しい仕事を始めるにあたり、勤めている会社を退職しました。
嬉しいことに、送別の寄せ書きをもらったのですが、何十人とコメントをくれたなかで、印象的なメッセージをくれた人が3人いました。
その人たちに共通したのは何かと言いますと、
それは、思い出の言葉です。
思い出の言葉とは、その人と私だけの記憶の言葉。
初めて会った日のこと、苦しかった撮影のこと、厄介な案件で揉めたことなど、私とその人の共通する何気ない「思い出」を書いてくれた人がいました。
よくある定例的な、お別れの言葉でばなく、私とその人だけが共有する体験である「思い出言葉」はとても嬉しく格別なものがありました。
私がもう忘れてしまったことを丁寧に覚えてくれていたり、ふとした瞬間に話した言葉に元気が出たと、時を置いて伝えてくれました。
丁寧で綺麗な言葉ではなく、短くても思い出を蘇らせるものに、人は心が動かされるのだと実感したものです。
『「短く早い」が一番伝わる』という、臼井由妃さんの本にこう書いてありました。
「思い出言葉」で相手との距離を縮める。
文章を読むことで(目)、記憶が呼び覚まされ(頭)、心に記録される。
つまり、「目と頭と心で得た情報」は感動の度合いが違うのだと。
そして、記憶に残る文章とは「文章のなかにドラマ」を見れる文章のことだとも書いてありました。
まるで、思い出言葉に、その時の情景がフラッシュバックのように記憶が戻り、まるで再現ドラマのように蘇る感覚です。
昨今、オンラインでのコミュニケーションが増えましたが、オンラインだけだと、どうも用件だけを伝えるだけで、無機質になりがちですよね。
でも、対面でなかなか会えないから今だからこそ、相手の印象に残るような言葉をひとこと、添えることが大切ですね。
その人とだけの「思い出言葉」をプラスすることで、その人との距離を縮めることができます。
「感動のシーン」+「言葉のしかけ」で、「記憶に残る文章」を作れますので、ぜひ、一度試してみてくださいね。
体温を感じるコミュニケーション、思い出言葉は、本当に嬉しいものです。