【エッセイ】三河①─城めぐり、再開!─ 『佐竹健のYouTube奮闘記(87)
10月中旬。あつさのため遠州掛川より撤退して以来休止していた征西作戦こと東海城めぐりを再開させた。灼熱の季節と夏セカンドに終わりが見え始めた。
再開してからの東海城めぐり最初の行き先は、遠江国のお隣三河国である。同じく愛知の尾張と三重の伊勢、志摩、伊賀、そして撤退するときに行こうと思っている甲斐の五ヶ国である。もう半分近く終わった。
今回の三河国から、舞台は愛知県へと変わる。ついに東海地方の総本山でありかつ三大都市の一つ名古屋はもう目と鼻の先である。
再び始まった旅は、新横浜駅からスタートした。新宿から小田急で行けばその分特急料金が浮く。だが、今回は時間配分を考えて、小田原駅の手前にある新横浜駅からスタートすることにした。
ここから新幹線に乗り、豊橋で降りる。そして名鉄に乗り換え、岡崎市を目指す。
(しかし、静岡は広いな……)
そんなことを考えながら、私は新幹線の中で作業をしていた。
前に駿河や掛川へ行ったときから感じていたのだが、とにかく静岡は広い。どこまで行っても静岡なのだ。
駿府城へ行ったとき、小田急と在来線を乗り継いで行った。
板橋から新宿、新宿から小田原、小田原から熱海、熱海から三島。ここまではいい。だが、三島より向こう側からは、本当に先が見えないなと感じた。
静岡まで行く間に経由する駅が多いうえ、駅と駅の間がかなり離れている。なら、快速や急行列車などはあるのか? と言えば、それもない(私が知らないだけかもしれないが)。
このおかげか、在来線で三島から静岡まで行くと、終わりがなかなか見えない旅となった。
こうしたことがあったので、私は遠州掛川まで行くときは、小田原から新幹線を使って行くことにした。在来線よりは三島~静岡間を快適に移動できるようになったが、それでもやはり、少し遠いなと感じた。
今回は新横浜駅から新幹線に乗って行ったわけだが、確かにスムーズに移動できた。だが、掛川以降の移動から感じるに、やはり遠いなと感じる。もしこれが在来線経由だったとしたら、本当に終わりが見えなかったことだろう。
豊橋駅で新幹線を降りた。券売機で名古屋行の名鉄の切符を買い、改札を通った。そして一宮行きの赤い電車に乗り、岡崎を目指す。快速なので、あっという間に岡崎城に近い駅である東岡崎駅へ着いた。
改札で切符を通し、東岡崎駅を出た。ここからは歩いて今回の目的地岡崎城を目指す。
東岡崎駅を出て早々、東海地方が誇るYoutuberグループ東海オンエアが当世具足姿に扮した看板が出迎えてくれた。
(東海オンエアか。そういえば動画見たことないな……)
名前はよく聞くけれど、肝心な動画は見たことがない。今度見てみようか。そんなことを考えながら、そこそこ高い建物が軒を連ねる街のメインストリートを歩いていく。
メインストリートを抜けると、そこそこ大きな川が見えてきた。川沿いには、土手と河川敷に道があった。道は川の流路に沿ってずっと続いている。
土手を降りた私は、河川敷の道を歩いた。
川が見える道というものはいいものだ。歩いたり自転車に乗って走ったりするだけでも、憂いことを忘れられる。
川の上流に沿って歩いていると、川の浅瀬の岩場に黒い鳥がとまっているのを見かけた。鳥はカラスのようにも見えるが、嘴が白いことから、他の種であることが一目にしてわかる。
(変わった鳥だな……)
東京ではあまり見ることのない鳥がいたので、私はその鳥の様子を眺めることにした。
黒くて白い嘴を持った鳥のうち、右側の一羽が川へと入った。そして潜り込んで泳いでいる小魚をとった。
それに呼応するかのように真ん中の鳥は、アヒルのように濁った声で鳴いた。
(これが鵜ってやつなのかな?)
野鳥にあまり詳しくないから、私は今目の前にいる鳥が何なのかについてはわからない。だが、これが世に聞く鵜なのかなとは思えた。
昔NHKの旅番組だったかドキュメンタリーで、鵜飼に関する番組を目にした覚えがある。そこに出ていた鵜にそっくりだなと感じた。野鳥に関して素人である私の推測なので、ほとんどあてにならないが。
鵜らしき鳥を見たあと、坂を伝って土手を上がり、橋を渡ろうとした。
土手へ上がったときに、白いきのこを見かけた。
(これは食べたら危ないやつ)
私は土手に生えているきのこが、なんとなく危険なものであることがわかった。本能が危険だと言っている。食べてはいけないやつだ。というより、まず食べないが。
謎のきのこの写真と動画素材を撮ったあと、私は橋を渡り、岡崎城へ向かった。
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