【エッセイ】所沢にあったマムシに注意の看板(『佐竹健のYoutube奮闘記(5)』)
どこかへ行くと必ず看板を目にする。店の看板、道路看板、自治体の変わり目を教える看板。とにかく看板を目にしないことはない。
特に気になってしまうのは史跡の看板。ほどよい文字数とわかりやすい文章で史跡や祠、寺社仏閣の説明をしているから、頭に入ってきやすい。
このようなこともあり、私は史跡や寺社仏閣などに行ったとき、必ず解説をしている看板の写真を撮ることにしている。そして、動画を作るとき時折見返したり、動画の中で使ったりすることもある。
他にも行き帰りの途中で、どこへ行くかを白い字で記した青い看板にもお世話になっている。おかげで、迷うことなく知っている道へと出ることができるから。
この前所沢にある滝の城址公園へ行ってきたのだが、そこで面白い看板を見つけた。
滝の城址公園は戦国時代の城跡である滝の城という城跡の近くにある公園。テニスコートや野球場などがあって、そこで所沢かお隣清瀬のどこかの中学高校の野球部やテニス部の生徒と思しき少年少女が、練習に励んでいる光景をよく見かける。
そんな滝の城址公園の周りを歩いているときに見つけたのが、
「マムシに注意」
と書かれた看板だった。丁寧にマムシのイラストも入っている。
(あれ、こんな看板あったっけな?)
私は首を傾げた。
去年も同じ時期に滝の城址公園に行っている。だが、このような看板はどこにも見当たらなかった。
おそらくは去年のいずれか、またはここ最近この公園を管理している所沢市の職員が取り付けたのだろうか。もしくはずっと前からあったが、私が鈍感なだけで気づいていなかったのか。詳しいことはよくわからない。だが、わかったことは、
「この公園にマムシがいる」
ということ。初夏辺りから、城跡のある高台と公園の通路の間にある草むらにいるのだろう。城跡のあるところには、雑木林や竹林となっている部分がそれなりにあるので、どこかに巣穴を作っていても全くおかしくない。
驚きと同時に、東京からそう離れていない場所にもマムシはいたのか、と思った。
東京に近い埼玉の街は栄えている。戸田や蕨、さいたま市の浦和や大宮などは、東京の街中と大差がない。住みやすさは、三鷹や武蔵野、田無辺りのような郊外と同じくらいではないかと思える。こうした土地は、開発によって自然のある場所は少なくなっている。
所沢もそんな街の一つだ。『となりのトトロ』が放映されていたときよりも、だいぶ開発が進んでいる。それでもこうして、野生動物の居場所が残っているというのは、本当にすごいことだ。
最後に二つ言っておくが、本当にマムシを見かけたら、とりあえずその場から距離を取ってほしい。マムシは毒を持っているので、うかつに近づけば噛まれて毒の餌食にされてしまう。そして噛まれたのなら、すぐに近くの病院の救急外来へすぐに行った方がいい。
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