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こどもと「柏市子ども・子育て支援複合施設TeToTe」@柏市に行ってみた


はじめに

2024年12月15日(日)、柏市子ども・子育て支援複合施設「TeToTe(てとて)」の4階「本の広場」5階「中高生の広場」内覧会に5歳の子どもと参加しました。柏市図書館協議会の委員として場づくりの議論に関わってきた経験もふまえ、実際の利用体験をお伝えします。

施設の背景と概要

柏市は流山市・松戸市・印西市といった子育て支援の充実した自治体に囲まれた場所にあります。そうした地域性を踏まえ、子育て支援の拠点として駅前の旧そごうアネックス館をリノベーションし、誕生したのが「TeToTe」です。

2024年3月の一次開館、12月の全面開館を経て、各フロアで以下のようなサービスを提供しています。

  • 1・2階:未就学児から小学校低学年向けの「遊びの広場」、妊娠・子育て相談センター、一時保育施設

  • 3階:送迎保育ステーション

  • 4階:小学生向け「本の広場」

  • 5階:中高生向けの居場所と自習室「中高生の広場」

柏市子ども・子育て支援複合施設「TeToTe(てとて)」外観

4階「本の広場」の特徴

図書館が運営する約370平方メートルの空間には、約5,000冊の本が並びます。この空間の特徴的な点は、徹底的にこどもたちの声を反映した選書です。市内小学校へのアンケート調査や学校図書館の貸出データを参考に、人気の高い本を中心に選定されています。

特に印象的だったのは、2010年から続く柏市のこども司書養成講座(現在3,000人以上)の経験を活かし、現役のこども司書たちが選書に参加している点です。内覧会当日も、自分が選んだ本を誇らしげに紹介する子どもたちの姿が印象的でした。

こどもししょおすすめ本の本棚は、図書館司書のみなさんによる可愛いバスのデコレーションが施されていて、どこにいても目を引き、思わず近寄って見てみたくなるような工夫がされていました。こういう本棚に自分の選んだ本が並べられたら、子どもたちも嬉しいでしょうね!

図書館職員のみなさんの力作本棚!

空間は大きく4つのエリアに分かれています:

  • ごろ寝エリア:靴を脱いでくつろげる空間

  • アクティブエリア:体を動かせるスペース

  • クラフトエリア:創作活動が可能なスペース

  • 本棚エリア:年齢層に配慮したゾーニング

出典:柏市「本の広場」https://www.city.kashiwa.lg.jp/toshokan/honnohiroba.html 

5階「中高生の広場」の特徴

生涯学習課が運営する5階は、中高生の自主性を重視した空間構成が特徴です。大学生ボランティアがバリスタを務めるカフェエリアや、壁で区切られた落ち着いた学習スペースが設けられており、図書館との連携による本の展示コーナーも設置されています。

出典:柏市「中高生の広場」https://www.city.kashiwa.lg.jp/shogaigakushu/seishonen/hiroba.html 

図書館と連携した本のコーナー展示も行われていますが、どちらかというと子どもたちの自主性が尊重した余白のある空間づくりが行われています。ここでも中学生と高校生が共存する場として、実際の運営フェーズでどのようなゾーニングが繰り広げられるのか、今後の場のあり方をウォッチしたいところです。

1階「遊びの広場」の利用体験

子育て支援課が運営する1階は、未就学児から小学3年生までを対象とした遊び場です。アスレチック遊具、乗り物おもちゃ、人形、ボルダリング、絵本、ボールプールなど、多様な遊具が用意されています。

内覧会当日(日曜・夕方)の利用者層は以下のような構成でした:

  • 0-1歳:約20%

  • 2-5歳:約30%

  • 6歳-小学生:約50%

特筆すべきは、市外在住者でも事前登録や予約なしで利用できる手軽さです。駅前という立地を活かし、買い物や習い事の途中での利用も可能です。実際に当日利用していた小学生たちは、ほとんど買い物か習い事の行き帰りに寄ったという様子でした。

のりものおもちゃゾーンから離れない…

「ここに連れてくれば勝手に1人で遊んでくれるから楽だわー!」とおっしゃっている保護者の方の声が聞こえて、同じ子育て中の者として共感を覚えました(笑)。
楽しく居心地がいい空間となっていることの証明でもありますが、時間を切り上げて帰ることも大変そうで、出口付近で床に寝そべってギャン泣きするこどもと困った表情の保護者の方々を何名も見かけました。居心地が良すぎるのも考えものですね。

5歳児の過ごし方から見えたこと

「本の広場」では、小学生が多い環境の中でも、自分の興味のある図鑑を見つけて集中して読む姿が見られました。家庭では購入が難しい高価格帯の図鑑に触れられる機会として、図書館的機能の意義を感じました。

「遊びの広場」では、大好きなのりものおもちゃでひとしきり遊んでから、アスレチック等の体を動かす遊びに移行していく様子が見られました。初めての場所だからこそ、まずは慣れた遊びをしつつ、周りの子どもの遊ぶ様子を観察してから動き出している雰囲気もありました。

近くにあったらまず行ってみたい・使ってみたいと思える施設でした。自分だったらこんな使い方をしたいな、という1日のイメージはこんなかんじでしょうか。こどもを2人連れて動く、というのはとてもエネルギーがいることなので、このようなワンストップでさまざまな利用ができる施設はとても魅力的ですね。

  • 朝:こども2人を連れてTeToTeに来る、上の子を3階の送迎センターに送りだし

  • その後:下の子と1階で遊んでから帰宅

  • 夕方:上の子のお迎え前にあわせてTeToTeに再訪、上の子を引き取り後、4階で読書タイムまたは1階で遊んでから帰宅

今後の展望

今回のTeToTeの利用を体験して、特に便利だと感じた点を改めてまとめてみます。

  1. 駅前立地を活かした利便性の高さ

  2. 年齢に応じた段階的な支援

  3. 子育て支援サービスのワンストップ提供

今後は、徒歩10分圏内にある柏市立図書館との連携強化など、地域の社会資源とのネットワーク構築が期待されます。本の予約受け取りや返却機能の追加により、より多くの市民層へのサービス展開も可能になるでしょう。

この施設が、柏市の子育て支援の新たな拠点として、多くの家族に活用されることを期待しています!

※本記事は2024年12月の内覧会時点の情報に基づいています。最新の情報は公式サイトでご確認ください。


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